学部創設50周年

社会学部創立50周年記念国際シンポジュウム
「アジア社会学は可能か―アジアにおける社会学の現状と展望―」

立教大学社会学部は、2008年に創立50周年を迎えました。これを記念して、10月22日(水)~24日(金)の日程で、

『アジア社会学は可能か――アジアにおける社会学の現状と展望―』

と題するシンポジュウムを開催しました。
日本、アジアに加えて、北米や豪州などからも第一級の学者をお招きし、最新の理論と研究の到達点を確認し、その成果を内外に発信しました。

シンポジュウム開催趣旨

アジア新時代が言われて久しいが、未だアジア社会を横断して説明する学問的探求は十分とはいえない。かつて近代化論が想定したように、経済発展と民主化を通じて、また市場の自由化やポピュラーカルチャーの越境によって、それぞれの地域が同じ方向へ進んでいるような実感は確かにある。いまやアジアの大都市にいけば、かつて東京や大阪が辿ってきたような道が広がっているような既視感を覚えるのは否めない。こうした現象を欧米化あるいはジャパナイゼーションとして説明することもできるかもしれない。他方、差異化の方向も著しい。東アジア共同体構想が提唱される一方で、アジア各地ではナショナリズムの機運は高まるばかりであり、依然として、冷戦時代の対立も解消されていない。また、差異化のベクトルは、一国内でも深まっている。IMF金融危機以降、東アジアのほぼ全地域において、新自由主義の流れが急速に拡大し、また中国においても社会主義市場経済の名の下で、やはり自由化の流れは遜色ないといえるほどである。日本でも「構造改革」が進んだ結果、都市と地方の格差が広がったことが指摘されている。その結果、それぞれの都市部は似通ってきて、また農村部は同じような問題を抱えているという指摘もある。資本や物流だけではなく、移民労働者や留学生、観光などのあらゆる分野における人口移動も著しく拡大し、アジアの大都会はどこも国際化を街で体験できるようになりつつある

このように変動するアジア社会を社会学はどのように説明できるだろうか。こうした変容は、社会階層、労働、人種、家族、都市、文化、メディアなどといった社会学のほぼ全領域において起きているといっても過言ではない。経済発展と民主化というキーワードで説明されてきたアジア社会論では、もはやグローバル規模で進んだ新自由主義の膨張と人口移動が進む現在のアジア社会を説明することは限界がある。発展と同時に進む格差の拡大、東京やニューヨークとつながっている都市の上層部と、依然として停滞するアジアの姿を保っている高層ビルに挟まれたスラム街の共存、越境するポピュラーカルチャーの受容が進み、東京の若者と同じドリームワールドに住んでいるソウルや上海、台北の若者たち。

日本は、アジア地域において最速に西欧近代化を経験し、社会学研究においても長い歴史がある。激動の近代史を先に経験した日本の学問は、変動するアジアを、また日本の現在をどのように説明できるだろうか。本シンポジウムでは、アジア主要国及び地域から著名な社会学者、そして欧米や豪州地域などからもアジア研究者や日本研究者を招聘し、最先端の研究成果を共有し、理論構築を目指す。

スケジュール

10月22日(水)

13:30-14:00 研究科委員長挨拶
14:00-15:10 基調講演「グローバル化時代におけるアジア社会学の展望」
講演者:佐々木正道(中央大学)
15:20-17:20 研究発表(セッションI)「グローバル・マイグレーション時代における多文化コミュニティ」
登壇者:
ブレンダ・ヤオ(国立シンガポール大学)
アリソン ・トキタ(モナシュ大学)
テツデン・カシマ(ワシントン大学)

10月23日(木)

13:30-15:30 研究発表(セッションII)「アジアの人口構成の変化と高齢化への対応」
登壇者:
ハル・ケンディック(シドニー大学)
カルヤニ・メータ(国立シンガポール大学)
野呂芳明(立教大学)
15:40-17:40 研究発表(セッションIII)「グローバル化と東アジアのメガシティ」
登壇者:
任雪飛(ミシガン州立大学)
南基範(ソウル市立大学)
高木恒一(立教大学)

10月24日(金)

13:30-15:30 研究発表(セッションIV)
「越境するセクシャリティ/ジェンダー:メディアを通じた変容」
登壇者:
魏然(サウスカロライナ大学)
荻上チキ(批評家、ブロガー)
伊藤剛 (武蔵野美術大学)
吉澤夏子(立教大学)
15:40-17:40 (セッションV)
「文化のグローバル化と東アジア-ポスト・アメリカナイゼイションの行方」
登壇者:
李金銓(香港城市大学)
李相吉(延世大学校)
黄 盛彬(立教大学)
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