第1回講演レポート

社会学部・社会学研究科同窓会主催
第1回講演会報告

「OBが語る、航空業界ではたらく グローバルな視点」

社会学部・社会学研究科同窓会が主催する、はじめての講演会が開催されました。講演者は、日本航空運航乗務員の木賀孝彦氏(1989 年社会学部卒)です。

木賀氏は立教大学社会学部産業関係学科の土方文一郎先生のゼミナールで学び、日本航空株式会社に入社しました。就職活動は当初サービス業を志望していたそうですが、JALの男性客室乗務員を希望して採用試験を受けたところ、パイロット試験が先に合格したことからパイロットの道に進むことになりました。1993年より747-400型機の副操縦士を務め、2003年より777型機の機長、現在運航本部777運航乗員第五路線室長で、すでに飛行時間は11,000時間の実績を積んでいます。

フライト・シュミレーション

2017 年11 月 28 日(火)講演会当日、立教大学池袋キヤンパス:太刀川記念館 3 階多目的ホールに50名以上の参加者の中心は社会学部の学生でしたが、他学部や問い合わせのあった高校生、卒業生と幅広く立教大学関係者が集まりました。木賀氏は機長の制服スタイルでご登壇、航空機が離陸してから着陸するまでの様子をパワーポイントで再現していただき、参加者一同、搭乗体験をシュミレーションできました。お仕事の魅力だけでなく、機内からみる風景、オーロラの中の飛行など、感動体験などのお話しもありました。操縦席から撮影したオーロラ写真には、参加者の憧れの眼差しが向けられました。

航空業界

木賀氏によると、航空業界は大きな変革期を迎えており、とくに2008年観光庁の発足以来、インバウンド政策が進んで、リーマンショック、東日本大震災の時を除き、訪日外国人数も年々増加傾向にあります。ボーイング社の予測によるとアジア航空便の成長率が、著しく伸びているそうです。東日本大震災では、航空機が物資の輸送など、被災地を支援する各地との懸け橋となりました。これにならい今後も点と点を繋ぐ、航空機でしか成し得ない価値を求めて邁進していかなければなりません。

JAL

会社が経営破綻(2010年)した翌年、改めてJAL企業理念を制定しました。「全社員の物心両面の幸福の追求」「お客様に最高のサービスを提供する」「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献する」です。現在、感謝の気持ち、謙虚に学ぶ心を常に持って仕事に取り組まなければ成果は出ないと言われていますが、「破綻前には、この当たり前のことが出来ていなかったことに気付きませんでした。また、意識改革の一環として自分のフィロソフィーの提示が必修となっています」。木賀氏のフィロソフィーは、「自分が渦の中心となり、周囲の人を巻き込みながら、より良い環境を作ること」です。現在、JALが企業として社会から必要とされ、永続的に発展する為に、部門ごとの強い採算意識を持ち、全員参加型の経営を目指しています。JALの社員は仲間と共に働き、仲間の為に頑張ることに誇りと喜びを感じています。

パイロットという職業

パイロットは、「責任感が求められる職業であり、概ね世間のイメージとは異なります。 訓練と試験が退職まで継続するような、華やかに見えて実は地道な仕事です。業務中は、常に強い緊張感を伴い、生活面では健康維持が必須は当然のことながら、反面、自分のフィールドを広く持ち、仕事と余暇のケジメをつけて取り組める職種とも言えます」。

現在、14機種230機が運航しており、パイロットは2500人在籍しています。女性パイロットは14名で、JALの最初の女性機長は立教大学出身者です。パイロットは、「自分の仕事に誇りと責任を持ち、地道に専門を極める努力が出来るバランス感覚の良い人が向いていると思います」。

ご講演の感想と今後

ご講演は、日本航空が取り組む職業体験のインターン制度の紹介もあり、就職活動へのアドバイスもいただきました。講演終了後、参加学生から「どの様な職業であっても、基本的に自分達が目指すべき姿勢は変わらないことを学んだ」との意見が出ました。社会人としての責任感を意識しての思いでしょう。また、今後取り上げて欲しいテーマなどについても積極的な意見が出ました。これらを踏まえて2018年度以降も継続的な講演企画を考えていきます。

参加者からの積極的な質問もあり、講演者からの問いかけに応える参加学生の姿、表情から、この90分の講演が卒業生と在校生の交流をはかるいかに有意義な時間となったかがわかりました。また、「パイロットは、自分にとって最も遠い業種であると思っていたが、同じ学部出身の先輩の話しを聞いて、より身近に、遣り甲斐のある仕事に感じられた」という意見もありました。「志、自分の可能性を信じて挑戦する気持ちを忘れないで欲しい」と願う講演となりました。

トップに
戻る