教員インタビュー

現代文化学科、
小池 靖 准教授に聞く、15の質問

Q.1 今までの経歴を教えてください。

国際基督教大学(ICU)で2年生の時にカリフォルニア大学デービス校に留学して、そこで宗教社会学に出会い、社会学者になろうと思い立ちました。それから、東京大学の大学院に進み、博士号を取って、2009年から立教で教えています。

Q.2 どんな学生でしたか?

当時は雑誌メディアが今よりもはるかに盛んな時代だったので、月に何冊も月刊誌や週刊誌などを読んでいて、学生新聞のサークルに入って、記事を書いたりしていましたね。最初はジャーナリストになりたいと思って社会学を選んだのですが、結局は社会学のほうが面白くなってきてしまったという感じです。 元々レポートを書いたりすることが好きで、取材をして、そのことについて自分の文章をまとめることが好きだったんですね。社会学を通してそのスキルを学んだので、これを一生続けていければいいなと思いました。

Q.3 専門の研究領域について教えてください。

大まかに二つあって、一つはカルトやスピリチュアルと呼ばれるようなもの。もう一つは、カウンセリングというものがこの世で人気を博している理由を研究しています。例えば、最初にフィールドにした分野は、少し怪しい自己啓発セミナーみたいなもので、カルトとして報道されることもあったんですね。同時に、ある意味ではグループカウンセリングみたいなことを行っている空間でもあるので、両方の側面に興味がありました。

Q.4 担当している授業の内容について教えてください。

先ほど話した前者の観点から「宗教社会学」を、後者の観点から「セラピー文化論」という授業を教えています。「宗教社会学」は基本1回1テーマで、エホバの証人やオウム真理教など、世界宗教からスピリチュアルまで、できるだけ幅広く色々なトピックを扱うようにしています。「セラピー文化論」は、カウンセリングとは何かという初歩的なところから始まり、集団心理療法や、最近はアイスブレイクみたいな形でちょっとしたゲームみたいなものを交流会などで行ったりしますが、そういうもののメカニズムの話もします。

Q.5 担当しているゼミの内容について教えてください。

インタビュー調査をして現代社会を探るゼミです。基本的に学生はどんなテーマを選んでも良いとしているので、今の神社やパワースポットについて調べている学生もいれば、大学生の恋愛観について調べている学生もいます。前期は関連文献をひたすら読んで、前期の終わりに2~4人ぐらいの班に分かれて、各班毎に調査計画を出し、後期はその調査計画に基づいて、自分たちでアポを取って、学外の諸団体にインタビューしに行く形ですね。

Q.6 ゼミを通して特に学生に伝えたいことは何ですか?

世の中のことを何でも広く探る方法論や手法があり、それをもとに自分なりに世の中にかかわっていくことで、世界が広がる、世の中のことがよりよくわかることがあるということを伝えたいですね。

Q.7 指導する上でモットーにしていることは何ですか?

引用・参照の作法をちゃんと守って、1人1本しっかりレポートを書くということですね。今は1年次の基礎教育でそういうことをあまりやらなくて、大学院になってもよくわかっていない学生もいるので、自分のゼミでは時間をかけてきちんと教えるようにしています。人の言うことはちゃんと括弧に入れて引用し、自分の意見と他人の意見を区別した上で、自分の主張をしていくことですね。

Q.8 学生には卒業後にどのような人に育ってほしいですか?

自由と寛容の精神を持つこと。また、むやみに喧嘩する必要は無いと思うんですが、正しいことは正しいと言えるような人に育ってほしいと思います。今の学生は空気を読み過ぎるところがありますね。時には空気を読まずに、新しいことにチャレンジすることも必要だと思います。

Q.9 社会学の魅力は何ですか?

やはり世の中のどんなことでもテーマに調べることができて、そのプロセスの中で自分の世界が広がるということが社会学の魅力だと思いますね。

Q.10 どのような学生が社会学部により合っていると思いますか?

ジャーナリストを目指している人には最適な学部だと思います。また、経済学や法学など具体的なことに興味が湧かなくて、社会学部なら何でもできそうな気がすると思って社会学部に入学する学生が多いのですが、最初の動機としては、そういう動機でもいいと思います。色んな授業が開講されているので、そこから自分の興味を探っていけばいいと思いますね。

Q.11 大学生活を送る上で最も大事なことは何だと思いますか?

色々なことにアンテナを張って自分の興味を探っていくこと、自分が一生をかけてやりたいことを見つけるということだと思います。毎年12月になると、3年生向けのキャンパス内企業説明会があるのですが、全員スーツでそのための教室に長蛇の列を作っているのを見ていたりすると、「君らが望んでいたものはこれだったのか」という感じがして、親孝行をするという点では素晴らしい学生さんたちですが、自分の好きなことを主体的に探求するということは希薄なのかもしれないと感じることがあります。

Q.12 立教大学のキャンパスの好きなところを教えてください。

池袋という大都会に隣接していることですね。東京芸術劇場も映画館もサンシャインもあるので。今、キャンパスの近くに住んでいて、池袋の街が好きになりました。

Q.13 学生におすすめしたい本を教えてください。

おすすめしたい本はいっぱいあるんですが、強いて言えば『The Future of Religion』(Rodney Stark, William Sims Bainbridge著)です。80年代のアメリカ宗教社会学の最大の実証的な本で、それこそカルトからキリスト教に至るまでの色々な宗教現象を一つの理論で見事に説明した本です。社会学部に入ってからぜひ読んでほしいですね。

Q.14 “学ぶ”ことの意味は何だと思いますか?

新しい見方や言葉遣いを身につけることによって、自分の世界が広がるということだと思います。私は2013年6月にフィンランドの国際宗教社会学会というところで発表してきたのですが、英語で原稿を書いて、発表し、世界の学者と議論して帰ってくるということは、埼玉の田舎の高校生であった自分からすると、だいぶスケールの違うことかもしれません。社会学や語学を学ぶことが結果的には、自分の世界や視野を広げたのだと思います。

Q.15 最後に高校生へのメッセージをお願いします。

スティーブ・ジョブズの言葉を借りて言うと「Follow your heart, Do what you love」ですね。あなたの心や直観に従った方が判断も間違えないことが多いだろうし、あなたが好きなことを続けなさいということですね。打ち込めることが見つかっていないのならば、全力で見つけてほしいと思います。

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