教員インタビュー

現代文化学科、
関 礼子 教授に聞く、10の質問

Q.1 今までの経歴を教えてください。

大学では経済学部に入学後、法学部に転科して、大学院で社会学の修士・博士を取りました。法律は弱い立場の人たちにとって必ずしも味方にならないケースがあるのではないかと思い、それぞれの現場で生きている人たちに寄り添ったものの考え方をしたいと、社会学を選びました。北海道の大学で教えて、2009年に立教大学に来ました。

Q.2 学生時代はどんな学生でしたか?

いつも前から三番目の真ん中の席に座っているような学生でした。単位の上限がなかった頃なので、興味のあるものを中心に、学部の授業からいわゆる一般教養まで二百近く取りました。高校のときと違って、大学の授業は自分で学び考える「遊び」の延長で、面白かったです。あとになって役立ったことが沢山ありました。裁判の答弁書を頼まれて書いたこともあります。無駄なものは何もなかったと思います。

Q.3 専門の研究領域について教えてください。

「環境社会学」と「地域環境論」です。環境というと山川海や動植物などの、いわゆる自然を連想するかと思いますが、人が生きる場所があって、空間があって、人間関係があって、そういうものを全部含めて環境です。公害問題や開発反対運動、自然保護運動などから、人々が町をつくる、地域をつくるという、観光も含めたまちづくりまで。フィールドから教えてもらうことが沢山あります。

Q.4 担当している授業の内容について教えてください。

「環境社会論」という授業で、環境と社会との関係を教えています。時間の流れに沿って現在に至るまでの主要なトピックスも取り上げます。生きている時代や空間が違うと、リアリティがないものになってしまうので、当時を知る手がかりとして映像を多用しています。

Q.5 担当しているゼミの内容について教えてください。

4年生は自らのテーマに沿って卒論を書きます。卒論のため、ひとりで調査ができるよう、3年生でフィールドワークの心構えやフィールドとの付き合い方を実地で学びます。直近では、グループに分かれて、新潟水俣病語り部の方々へのヒアリング、いわき市渡辺町の歴史や民俗文化の調査、石垣市のまちづくりや観光に関する調査を行いました。

Q.6 ゼミを通して学生に伝えたいことは何ですか?

学生は今まで同じようなカテゴリーやジャンルの人としか付き合ってこなかったと思いますが、フィールドに出ると、経歴や年齢など多様な人々と出会います。学生という甘えが通じない場所であると同時に、学生だからとみなさんが沢山のことを教えてくださいます。色々な人と付き合って、話を聞くことは、とても貴重な経験です。異なる価値観、世界観があるということを具体的に学べます。

Q.7 社会学の魅力は何ですか?

今まであたりまえだと思っていた世界がひっくり返る瞬間だと思います。世間的に言われていることや本に書かれていることが正解だと思っていると、現場では違う。自分が生きてきた社会の秩序やルールみたいなもの、そういうものがひっくり返る瞬間、初めて自分が社会に出会って、社会を考えることができます。新しい世界を描き出すような学問が社会学だと思います。

Q.8 どのような学生が社会学部により合っていると思いますか?

他者と向き合って初めて見える自分というものがあります。そういう自分を見つけたい人や、変化していく自分を感じたい人、他人とは違う自分を認められる人がいいと思います。

Q.9 学生におすすめしたい本を教えてください。

新書や文庫は「スナック菓子」です。どんな本を読むというより、沢山の本を片っ端から読んでほしいですね。色々な人と話すためには、共通の接点が必要です。いわゆる名作と呼ばれるような、読んでいることが期待される本から新しい本まで、新書をあいうえお順に全部読んでいけばいいんじゃないかと。私はそういう本の読み方をしてきました。環境の本で言うと、『環境の哲学―日本の思想を現代に活かす』(桑子 敏雄著)は、その空間に身をひたして、そこに流れてきた時間の流れを読み解く、という「空間の履歴」について書いています。環境を考えるうえで時間・空間は重要なキーワードです。

Q.10 最後に高校生へのメッセージをお願いします。

大学は器だと思います。学ぶ意欲があって、その器が立教大学であれば、成長を実感できます。大学時代にどれだけ伸びるかが、その後の人生を楽しくもするし、つまらなくもします。つけ焼き刃の知識ではなくて、その人間が持っている軸のようなもの、そういうものを育てる上で、立教大学はスタッフも充実していますし、とても面白いのではないかと思います。

前年度はこちら 戻る

トップに
戻る