関ゼミ

担当者:関 礼子 教授
環境の時代:保護と観光の近代

「インタビュー風景」

環境社会学では、「私」と同じ時代を生きている人の、それぞれの日常、それぞれの世界に出会います。「私」とは異なる環境のなかで、人はどんな環境を守り育んでいるのでしょう。環境社会学の扉をたたくと、環境と環境問題について「何も知らなかった自分」に出会う旅が始まります。
フィールドの出会いのなかで「私」を知ること。そこを基点にして環境を考えてゆくのが関ゼミです。

フィールド演習紹介

「中釜戸のシダレモミジ」

人間が生きるために環境は必要だ。人間だけでなく、あらゆる動植物のゆりかごとして自然を守らなくてはならない。――疑いの余地がないことだ。では、「私」にとってはどうか。

関ゼミでは、夏に恒例のゼミ調査合宿がある。フィールドに浸かって環境を考える。環境汚染の被害を被った人びと、自然とかかわりながら生業を営む人びと、開発に悲鳴をあげる自然を守ろうとする人びと、自然の豊かさを持続可能にしようとエコ・ツーリズムを構想する人びと。出会うたびに「私」に問いが突きつけられる。

「私」にとっての環境とは何か。生まれ育った土地や友人と遊んだ公園の風景、家族で訪れた思い出の場所。記憶は「私」が「私」であるためのアイデンティティ。その記憶が自然のなかに、環境のなかに見出される。

フィールドでの調査合宿は、「この環境を守る」という意志を、他人事ではなく、「私」との関係で考える契機になるはずだ。

ゼミ生の声

米川 なつみ

「渡辺町の調査を通じて」

2016年9月8日から11日の4日間、福島県いわき市渡辺町にて民俗調査を行いました。

先輩方が積み上げてきた、ゼミとして3年目となる渡辺調査の集大成とすべく、現地の方々にお話を伺いました。私は渡辺町の自然と伝統文化に関心を持ち、国の天然記念物である「中釜戸のシダレモミジ」や釜戸川のアユ、渡辺町中釜戸の諏訪大社の祭礼「奴行道」について事前に調べました。「中釜戸のシダレモミジ」にはどのような逸話が存在するのか、釜戸川のアユは東日本大震災後に何か変化はあったのか、途切れてしまった「奴行道」は現在どのような形で「継承」されているのかなど、調べるにつれて疑問に思うことが溢れていきました。資料に目を通すだけではわからないこともたくさんあり、現地で直接お話を伺う日を楽しみに、合宿に参加しました。

前半の2日間は、各班に分かれ、それぞれじっくりとお話を聞かせて頂きました。後半の2日間は、復興ツアーとして、今もなお帰宅困難区域である浪江町などの被災地を見学させていただきました。目には見えない放射線量を実際に測定し、その数値の高さに驚いたり、最後の最後まで市民を救うために職務を全うした警察官の方々のパトカーや慰霊碑を訪れたりと、改めて自分たちの五感で福島の復興の現状を知りました。

「立ち入り禁止区域」
「パトカーと慰霊碑」

今年度のゼミ生は10名という少人数ですが、少数精鋭、十人十色です。渡辺町調査3年分の成果をまとめ上げることは、並大抵なことではありません。しかし、皆で協力しながら、それぞれ作業に取り組んでいます。報告書の渡辺町を通じて、現地の方々とも、先輩方ともつながることができる、そのような思いで完成を目指しています。

「合宿に参加したみなさんで」

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