岩間ゼミ

担当者:岩間 暁子 教授
「格差」「ジェンダー」「マイノリティ」から現代社会を読み解く

2011年度ゼミ合宿の写真(2011年、9月、伊豆高原にて)

岩間ゼミは2009年度に岩間が立教大学に着任してから始まった新しいゼミです。年度によってテーマは若干異なりますが、「社会階層」「ジェンダー」「マイノリティ」「家族」といったキーワードを切り口に、現代社会が抱える問題を分析・考察することに取り組んでいます。

ゼミ活動

岩間ゼミの1年間の活動は1)共通文献を読み、その内容を的確にレジュメにまとめ、議論する経験を積む(前期)、2)夏休み合宿でたくさんの文献を読む、3)ゼミ論文の執筆(後期)、という3つの柱からなっています。

<前期>

これまで取り上げた共通文献は『社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属』(岩田正美、2008、有斐閣)、『「格差」の戦後史-階級社会 日本の履歴書』(橋本健二、2009、河出ブックス)、『日本型近代家族-どこから来てどこへ行くのか』(千田有紀、2011、勁草書房)、『平等と効率の福祉革命―新しい女性の役割』 (イエスタ・エスピン=アンデルセン、2011、岩波書店)などです。これらの文献を批判的に読む作業を通じて学問をするにあたっての基盤となる基礎力の養成を目指します。

<夏休み合宿>

夏休み中に実施する読書合宿では多くの文献を批判的に読むことを通じて、現代社会にある問題を発見し、後期のゼミ論文の執筆に向けて必要な社会学的な知識や分析手法を学びます。2011年度の合宿では以下の文献を読みました。

【労働問題】

  1. 濱口桂一郎、2009、『新しい労働社会-雇用システムの再構築』(岩波新書)
  2. 竹信三恵子、2009、『ルポ 雇用劣化不況』(岩波新書)
  3. 安田浩一、2010、『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)

【社会階層/貧困】

  1. 広田照幸、1999、『日本人のしつけは衰退したか ―「教育する家族」のゆくえ』(講談社新書)
  2. 門脇厚司、2010、『社会力を育てる ― 新しい「学び」の構想』(岩波新書)
  3. 山野良一、2008、『子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会に及ぶ影響』(光文社新書)

【教育】

  1. 本田由紀、2009、『教育の社会的意義-若者、学校、社会をつなぐ』(ちくま新書)
  2. 青砥恭、2009、『ドキュメント 高校中退-いま、貧困がうまれる場所』(ちくま新書)

【社会保障】

  1. 宮本太郎、2009、『生活保障-排除しない社会へ』(岩波新書)
  2. 本田良一、2010、『ルポ 生活保護―貧困をなくす新たな取り組み』(中公新書)
  3. 春日キスヨ、2010、『変わる家族と介護-「無縁社会』時代の介護を考える』(講談社現代新書)

【日本の近代を振り返る】

  1. 吉見俊哉、2009、『ポスト戦後社会-シリーズ日本近現代史⑨』(岩波新書)
  2. 広井良典、2008、『コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来』(ちくま新書)

    2012年度のゼミ合宿では以下の文献を取り上げる予定です(6と7は各々、数本の論文を選択)。
    1. 『新しい貧困-労働・消費主義・ニュープアー』(バウマン、1998=2008、青土社)
    2. 『管理されるこころ-感情が商品になる時』(ホックシールド、1983=2000、世界思想社)
    3. 『日本の教育格差』(橘木俊詔、2010、岩波新書)
    4. 『教育の職業的意義-若者・学校・社会をつなぐ』(本田由紀、2009、ちくま新書)
    5. 『ポジティブ・アクション-法による平等の技法』(辻村みよ子、2011、岩波新書)
    6. 『現代の階層社会1 格差と多様性』東京大学出版会(佐藤嘉倫・尾嶋史章編、2011、東京大学出版会)
    7. 『現代の階層社会3 流動化のなかの社会意識』(斎藤 友里子・三隅 一人編、2011、東京大学出版会)

<後期>

社会学科の3年生ゼミ(専門演習2)では、すべてのゼミで1年間の成果をゼミ論文集としてまとめています。
岩間ゼミでは各人がゼミテーマに関連した問題を自分の興味・関心に基づいて取り上げることができます。そして、自分がたてた問いを解くために適した研究手法を選び(アンケート調査を用いた計量分析、インタビュー調査、新聞記事を用いた言説分析、ドラマを用いたメディア分析など)、分析・考察した成果を論文にまとめていきます。ゼミ論文に取り組む過程で、先行研究やデータ、資料の集め方、分析手法などの卒業論文の執筆に必要となる力を身につけていきます。

ゼミの運営方針

指導にあたっては、1)学術的・社会的に意義のある問いをたてること、2)文献を批判的に読むこと、3)先行研究を踏まえること(レビューをきちんとすること)、4)オリジナリティ(独創性)のある論文を書くことを重視しています。また、日本社会の状況を相対化するために、国際比較の視点も重視しています。ゼミ選考にあたっては、その段階の知識量や読書経験などは問いませんが、新聞や本を読むこと、自ら主体的に考えて行動すること、自分のことだけではなく、異なる背景を持つ他者に思いをはせ、理解しようとする努力をしていってほしいと願っています。


主な卒業論文

卒論題目 「母子世帯の母親の学歴と貧困の再生産の関連について」(2010年度)
「親子関係の変容が友だち関係に及ぼす影響について」(2011年度)
「『社会的排除』概念の検討と日本の『社会的排除』の現状」(2011年度)
「日本の『外国人』の定義と政策に関する理論的検討」(2011年度)
「要保護児童と親子関係―要保護児童が抱える地域格差―」(2011年度)
「なぜ婚活ビジネスが成長したのか」(2011年度)
「『自己責任』とは何か―『自己責任』という言葉の機能と背景―」(2012年度)

*ゼミ生の声については後日情報を掲載します。

戻る

トップに
戻る