木下ゼミ

担当者:木下 康仁 教授
life(生命・生活・人生)の社会学

社会現象へのアプローチは「測る・分かる・変える」に大別できます。測定し数量化してみる、意味の解釈をする、自分の理解に基づいて現実を変える…どのアプローチを重視するかによって社会調査の方法や結果の活かし方は変わってきます。このゼミでは「分かる(理解する)」を中心として、「変える」に向かって具体的な道筋を検討します。

私たちの社会では個人が大切にされると言われますが、果たしでそうでしょうか。自由に生きられるようでありながら、誰もがさまざまな困難に直面し、納得できる意味づけを模索し、他者との関係を築きながら複雑なライフヒストリーを編んでいきます。困難経験の中身は人間関係、病気や障害、経済問題、あるいはその人特有の挫折経験などいろいろですが、それが契機となって人生の転機になったりします。

そうした経験の世界をインタビューにより直接聞き、理解することを学習の大きな目的とします。そのことは他者を理解するだけでなく、自分の経験についてもよりよく理解していくことにつながります。そして、その背景にどのような社会的制度や意識の問題があるのかへと視野を広げ、何を、なぜ、どのように変えるべきかを検討していきます。

ゼミ生の声

2008年度 ゼミ長  山下 秀國

木下ゼミでは「LIFE(生命・生活・人生)」の視点から、個人の困難経験をインタビュー調査で理解することを学びます。実践的であると同時に、学生の考えを尊重してもらえるゼミなので、一年次・二年次で蓄えてきた興味・知識を思いきりぶつけることができます。

まず全体で「語り」についての基礎知識を学び、その後それぞれが興味を持つテーマごとにグループをつくり、メンバーと意見交換をしながら一つの調査計画を練り上げていきます。その過程で授業時間以外に進めるサブゼミや夏休みに行う合宿により、有意義な研究という互いの目標に向け、グループの結束を強めていきます。

インタビュー自体、日ごろ味わうことのできない非常に良い経験です。しかしその後の逐語化や考察に費やす時間こそ、自分たちの考えを交えて他者の人生を理解することのできる、またとない貴重な経験となります。

調査に関するすべてのことは、基本的に学生たちが主体的に決定し、進行していきます。それは時間と体力を必要とする大変な作業ですが、木下先生やTAの方がしっかりとご指導してくださるので、満足のいくかたちで研究を進めることができています。

2008年度 病い班リーダー 藤倉 雄太

現在私たちが所属する木下ゼミでは4つのグループに分かれて各々が研究を行っています。それぞれのグループが自分たちの抱える疑問の答えを得ようと文献や論文を読み、インタビュー調査をするなどといったことをしています。私のグループではがんを経験した患者さんの語りをもとにして「生きるとは何なのか」ということを考えてみようと思っています。研究を進めていく中で私たちは様々な疑問を抱くわけですが、その疑問1つ1つを丁寧に扱うように私たちは常に心がけています。そのことが色々な角度から物事を見たり考えたりすることのできる力を養う方法であると私たちは考えているからです。木下ゼミを通して得ることのできるこのような力は私たちが充実した生活を送っていく上で非常に重要な要素になるのではないでしょうか。

2008年度 戦争体験班リーダー 伊藤 悠子

私たちのグループは、「消えゆく経験~戦争体験者は今何を語るのか~」をテーマに研究をしています。研究の目的や意義、リサーチクエスチョンなどをメンバー4人で議論し、対象者の絞り込みをしました。その後、自分たちでさまざまなアプローチを重ね協力団体を探しだし、4名の戦争体験者へのインタビューを元に今後は研究を進めて行きます。

木下ゼミの魅力は、グループで取り組むことで多様な意見や議論が生まれ、インタビュー形式を取ることで新しい世界や人との出会いがあることです。このことは社会学的見解を深めるだけに留まらず、自らの人間性を成長させることにもつながると感じています。

2008年度 AA班リーダー 篠原 達也

私のグループでは、AA(アルコホーリクス・アノニマス)というアルコール依存症の回復の手助けを目的とする団体について研究を進めています。

その過程では、実際にAAの活動に参加させてもらったり、AAのメンバーにインタビューをしたりなど、ゼミに入ってなかったら絶対やらないだろうなという貴重な経験ができているし、グループで進めているので、自分では気付かない意見を聞けたりというように、話し合い自体もモノの見方の視野が広がる感じでとても勉強になっています。

もちろん大変といえば大変だけれど、一つ一つ話が進展する度にちょっとした達成感とかも得られるし、成長できるゼミなんじゃないかなと思います。

2008年度 若者班リーダー 小林 歩

木下ゼミは、4年次では卒業論文での個人研究ですが、3年生次ではそれぞれの関心によって集まったグループで研究を行います。現在私たちのグループは、「若者」という共通の関心のもとに集まり、「ひきこもり」についての研究を進めています。木下ゼミの特徴として、研究方法にインタビュー調査法を使用することが挙げられますが、最初は皆未知の体験であるので、大きな不安を抱えると思います。しかし、実際ゼミ全体でのディスカッションや、特にグループワークを通して考えを出し合うなかで、どのようにアプローチしていけばいいのかが、ちゃんと見えてきました。もちろん、複数の人が集まるので難しい面もありますが、その分多くのものを学び吸収できると思います。

卒業論文タイトル

論文
タイトル
発達障害者の社会適応-アスペルガー症候群・高機能自閉症者とその家族、支援者の語りから-
異文化における人間関係の構築-国際結婚から考察する-
男性の育児休業-育児休業取得者へのインタビューから-
ホームレスをめぐる社会の姿勢 -炊き出しはなぜ続くのか-
団塊の世代のセカンドライフ -新たな高齢者像の構築-
子供を持ちやすい社会とは -育児をする母親を囲む困難性-
児童虐待の社会的背景 -虐待死に見る虐待の背景
スローライフを求める若者
文化を消費する -日本におけるヒップホップ文化のゆくえ-
市町村合併と地域イメージ・地域アイデンティティ
美容整形に伴う自己概念の変化
ペットと家族の接近 -「ペットの家族化」の一考察-
不登校から見る子供の求める居場所
帰国子女は一般人になれるのか

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